2017年10月03日

東京の名木を旅する

名木…
それは長い長い年月を刻んできた老木であったり、ときに偉容をほこる巨木であったり、はたまた、さまざまな伝説や「いわれ」をまとっていたり。生きてきた証を我々に見せてくれている木です。

8月に刊行されました技術評論社刊『東京名木探訪』。
私が撮影をした本で、植物学者 近田文弘先生、編集さん、デザイナーさんとともに都市部から奥多摩の山地まで、東京の名木をめぐり探し、そして出会った名木の数々を紹介しています。

最初は、都内を移動しながら散歩気分で撮影を……というオーダーだったのですが、
まあまあ、自然相手でそんなにうまくはいかないもの。
取材日に天候がいいとはかぎらず、花や葉の出がベストとはかぎらず。
特に撮影が集中した昨年は天候も不順で、取材班とは別に何度か通って撮影を行いました。

この本にたずさわって、いろいろ調べてみると、やはり自然豊かな場所の方が巨木は多いのです。
しかし東京の木はさまざまな人間や歴史とふれあう機会が多かったため、エピソードや、その樹木の生長の中で起こったことの記録が豊富ということがわかってきました。

木は人間より長い長い寿命をもち、生活史も私たちとは全く異なっています。
人との関係、物語、いわれ、何より樹木の生き様は、植物としてのおもしろさ、生物としてのたくましさ、歴史の奥深さを知ることができ、その生きてきた道のりを知るのはとても楽しい経験でした。

とはいえ東京は、樹木にとっては生きづらい側面もあります。
この本の制作時でも、さまざまな理由ですでに枯れてしまった木、切られてしまった木、終焉を迎えようとする木がありました。この本は、物言わずともたくましい生命を感じさせ、そして生物であるからには終わりもある樹木たちの記録と記憶でもあるのです。

樹木の世界をのぞいてみたい方々に。
そして樹木に親しむ全ての方に。

http://gihyo.jp/book/2017/978-4-7741-9108-9

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posted by taka@porcupine at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 本のこと